2,指導要領における投の位置づけ

小学生期における基本的な動作の習得は大変重要なものである。現行の指導要領には、投の運動は、1,2、3,4年ゲームの領域で5,6年ではボール運動の中で、「投げ」が取り扱われるようになっている。投げるという運動も、その目的には、物に正確に当てたり、素早く投げたり、遠くに投げたりと様々である。小学生1年から6年に至るまでゲームという領域の中で投の様々な能力が開発されると考えられるが、遠くに投げる、素早くスピードボールを投げるなど、最大の能力を発揮することに焦点を当てた学習はなされるのであろうか。

投げの動作は全身運動であり、それも足のつま先から手の指先の先端部分まで使い、いかに全身をつかって先端の指先を早く動かすか、全身の協調、連鎖が求められる動作である。この動作は、テニスやバレーボールのスパイクなど他のスポーツの基本動作に求められる動作に類似している。

勿論ハンドボールもシュートやパスに代表されるように、その中核技術は投げによって構成されている。小学生に運動能力の低下が取り沙汰されているが、特に投げる能力の低下は著しいものがある。原因には様々なものが考えられるが、この能力の習得は将来にわたるスポーツの楽しみに繋がることであるので将来的にもっとスポットが当てられるべきものである。

ハンドボールでは、投は前述した通り中核的な技術であるので、ハンドボールの授業で開発、伸ばすことのできる能力の一つと捉えて授業内容を抑えることが重要と考える。

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